スピリチュアルペイン
すぴりちゅあるぺいん
スピリチュアルペインとは、自分の人生や苦しみの意味、自分の存在意義などを考えることで生まれる苦痛のことである。
スピリチュアルペインには、他者への心配や孤独感、宗教的な葛藤などの「関係性の苦悩」、自分のことができないことや生きる意味が見出だせないなどの「自律性の苦悩」、心残りや死への不安などの「時間性の苦悩」があり、生きる上での心の支えや信念が揺らぐことによる苦しみを指す。
スピリチュアルペインは、医師シシリー・ソンダースによって提唱された全人的苦痛(トータルペイン)の1つの要素である。全人的苦痛とは、緩和ケアにおける考え方を示したもので、身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルペインの4つの要素が複雑に絡み合うことで様々な苦痛が生じるとされている。
図 トータルペイン(全人的苦痛)の要因
患者さんのスピリチュアルペインを和らげるケアを行うためには、信頼関係を築く必要がある。特に自分の死や存在の消失を強く意識している患者さんは、悩みを打ち明けることに大きな葛藤があるため、看護師は日常的な些細なコミュニケーションを重ね、時間をかけて関係性の構築を目指す。
患者さんが悩みや感情を表出したら、傾聴の姿勢で向き合い、受け止めることが重要である。スピリチュアルペインへの絶対的なケアはないが、少しでも患者さんが「よかった」と感じられる体験や時間をつくる支援が望ましい。
●用語を使用した例文
スピリチュアルペインと精神的苦痛の違いがわからず、がん看護専門看護師に質問した。
●用語に関連する国試過去問
Aさん(55歳、男性、会社員)は胃癌の終末期である。
Aさんの訴えのうちスピリチュアルペインの表出はどれか。
1.「腹痛がずっと続いています」
2.「吐き気が続くと思うと不安です」
3.「今後の生活にかかるお金が心配です」
4.「これまでの自分の人生が意味のないものに思えます」
第111回看護師国家試験(2022年)
●参考文献
・奥山 敏雄:近代ホスピスの形成とシシリー・ソンダー スの位置.社会学ジャーナル2018;43:p1-21
スピリチュアルペインには、他者への心配や孤独感、宗教的な葛藤などの「関係性の苦悩」、自分のことができないことや生きる意味が見出だせないなどの「自律性の苦悩」、心残りや死への不安などの「時間性の苦悩」があり、生きる上での心の支えや信念が揺らぐことによる苦しみを指す。
スピリチュアルペインは、医師シシリー・ソンダースによって提唱された全人的苦痛(トータルペイン)の1つの要素である。全人的苦痛とは、緩和ケアにおける考え方を示したもので、身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルペインの4つの要素が複雑に絡み合うことで様々な苦痛が生じるとされている。
図 トータルペイン(全人的苦痛)の要因
患者さんのスピリチュアルペインを和らげるケアを行うためには、信頼関係を築く必要がある。特に自分の死や存在の消失を強く意識している患者さんは、悩みを打ち明けることに大きな葛藤があるため、看護師は日常的な些細なコミュニケーションを重ね、時間をかけて関係性の構築を目指す。
患者さんが悩みや感情を表出したら、傾聴の姿勢で向き合い、受け止めることが重要である。スピリチュアルペインへの絶対的なケアはないが、少しでも患者さんが「よかった」と感じられる体験や時間をつくる支援が望ましい。
●用語を使用した例文
スピリチュアルペインと精神的苦痛の違いがわからず、がん看護専門看護師に質問した。
●用語に関連する国試過去問
Aさん(55歳、男性、会社員)は胃癌の終末期である。
Aさんの訴えのうちスピリチュアルペインの表出はどれか。
1.「腹痛がずっと続いています」
2.「吐き気が続くと思うと不安です」
3.「今後の生活にかかるお金が心配です」
4.「これまでの自分の人生が意味のないものに思えます」
第111回看護師国家試験(2022年)
解答
4
●参考文献
・奥山 敏雄:近代ホスピスの形成とシシリー・ソンダー スの位置.社会学ジャーナル2018;43:p1-21
- 同音異義語・略語
- スピリチュアルペインの同音異義語・略語は未登録です
- 「スピリチュアルペイン」に関する看護記事
該当する記事がありません
ラウンジでの「スピリチュアルペイン」に関するコメント
該当する用語はありませんでした
- 新着の看護記事
- 人気の看護記事