リンパ節郭清とは、がんが転移している可能性があるリンパ節を切除すること。がんの転移には血行性転移、リンパ行性転移、播種性転移、浸潤があるが、リンパ行性転移はリンパ節を通ってがんが全身に広がっていくため、予防的にリンパ節を切除することで再発を防ぐ。
腋窩リンパ節は、乳がんが転移する頻度が高く、再発予防のために腋窩リンパ節郭清が行われるが、上腕挙上障害、知覚障害、浮腫などの合併症が起こることがある。また、子宮体がんの標準的な手術療法でも、子宮摘出と同時にリンパ節郭清が実施されるが、リンパ浮腫が生じる可能性が高い。合併症発生のリスクを避けるため、早期のがんなどではリンパ節郭清を行わない場合もある。
監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:掛本知里(有明医療大学看護学部看護学科 学部長・学科長)