起座呼吸
きざこきゅう
起座呼吸とは、仰臥位で呼吸困難が増強し、座位になると呼吸困難が緩和される臨床的徴候のこと。主に左心不全でみられるが、肺炎や気管支喘息で起こることもある。
左心不全の状態で仰臥位をとると、右心系への静脈還流量が増加し、肺血流量の増加から肺うっ血が助長され呼吸困難が強くなる。一方、座位をとると、重力の影響で下肢に血液が貯留し、静脈還流量が減少して肺うっ血が軽減される。そのため、患者は自然と座位をとろうとする。
呼吸困難を緩和させるためには、日常生活への援助が必要である。入院中は前傾姿勢を取りやすいよう、オーバーテーブルにクッションを置いたり、食事の際にはベッドをヘッドアップして配慮する。排泄時にも心負荷がかかりやすくなるため、状態の変化に注意する。また、退院後のことを考慮し、呼吸困難がみられたときの対処法などを患者と一緒に検討したり、姿勢や呼吸方法などの指導をしたりすることも必要である。
■参考文献
●巽浩一郎:肺水腫.病気がみえるvol.4 呼吸器 第2版.メディックメディア,2013, p.258-61.
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