看護用語集

跛行

はこう

跛行とは、さまざまな疾患や障害により正常な歩行ができない状態のことである。原因が多岐にわたるため、歩行状態の観察や検査結果などを情報収集することが必要である。主に間欠性跛行や墜下性跛行などがある。

間欠性跛行は、歩行すると下肢に力が入らなくなったり、疼痛が生じたりし、休息することにより軽減されるが再び歩き出すと症状が出現する。原因は神経性と血管性の2種類の疾患が考えられ、神経性では、加齢などによって起こる腰部脊柱管狭窄症があり、血管性では、閉塞性硬化症により血液の流れが悪くなることで、痛みが生じて出現する。

墜下性跛行は、いずれかの下肢に障害があり、歩行時に患側もしくは健側の肩が下がる症状で、軟性と硬性がある。軟性墜下性跛行は、先天性股関節脱臼や変形性股関節症によって起こる。先天性股関節脱臼では健側の肩が下がるトレンデレンブルグ徴候が出現する。変形性股関節症の有病率は、60〜79歳の女性で2%である。硬性墜下性跛行は、短縮跛行とも呼ばれ、下肢の短縮により出現し、原因はさまざまである。

参考文献
・日本整形外科学会他:腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2021(改訂第2版)
https://minds.jcqhc.or.jp/docs/gl_pdf/G0001278/4/lumbar_spinal_stenosis.pdf(2022年11月10日閲覧)
・日本整形外科学会/日本股関節学会:変形性股関節症診療ガイドライン2016 改訂第2版.南江堂.2016.
・日本循環器学会他:末梢閉塞性疾患治療ガイドライン(2022年改訂版).
https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/03/JCS2022_Azuma.pdf(2022年11月10日閲覧)


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:弓気田美香(有明医療大学看護学部看護学科 講師)

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