歩行障害
ほこうしょうがい
歩行障害とは、何らかの原因により、自力での歩行が困難あるいは不可能になった状態のこと。主な歩行障害として、次のものが挙げられる。
【疼痛回避歩行(逃避性歩行)】
下肢の外傷や関節性疾患に伴う疼痛を回避するために、患肢をゆっくり着地させて歩く。
【痙性歩行】
錐体路障害でみられ、つま先を引きずるようにして歩く。
【挟み脚歩行】
痙性対麻痺で多くみられ、下肢と他方の下肢とを交互に交差させて歩く。
【鶏歩】
腓骨神経麻痺が生じた際にみられ、膝を高く上げた後、足を投げ出すようにして歩く。
【失調性歩行】
酩酊したときのように、全身を前後左右に揺らしながら不安定に歩く。
【硬性墜下性歩行】
下肢の粉砕骨折などにより、一側の下肢が短縮した場合に生じる歩行障害で、短縮側の下肢に荷重するたびに、同側の肩が下がった歩き方になる。
【弾性(軟性)墜下歩行】
変形性股関節症などによる股関節外転筋の筋力低下のため、骨盤の傾斜が生じることでみられる歩行障害で、上体を左右に揺らして歩く。
【トレンデレンブルグ歩行】
先天性股関節脱臼などでみられ、健側の肩を下げて歩く。
【間欠性跛行】
一定の距離や時間の歩行により、下肢に脱力や疼痛、しびれなどの症状が出現して歩行の継続が不可能となるが、しばらく休むと歩行可能になる。
参考文献
●金子和夫:新体系看護学全般.成人看護学⑪運動器.メヂカルフレンド社.2021.p.53-4.
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