看護用語集

神経障害性疼痛

しんけいしょうがいせいとうつう

神経障害性疼痛とは、「体性感覚神経系の病変や疾患によって引き起こされる疼痛」と国際疼痛学会が定義している1)。神経伝導路の障害や機能低下により、疼痛が引き起こされ、灼熱痛、チクチク感、時には深くうずくような痛みがみられる。神経障害性疼痛の例として、糖尿病合併症である糖尿病性末梢神経障害や、帯状疱疹などの神経の損傷による疼痛、椎間板ヘルニアや、腫瘍など神経の圧迫による疼痛がある。

疼痛があることが不安や不眠につながり、抑うつ傾向となる場合もある。

治療に関しては、疼痛の除去を第一に行い、鎮痛薬なども使用するが、精神的な不安定さから、疼痛が増悪する場合もある。理学療法士や作業療法士によるリハビリテーション・プログラムを継続することにより、疼痛緩和を図る。神経障害性疼痛の機序は複雑であるため、しっかりと検査をする必要があるが、この際、繰り返される検査により、患者は痛みに加え、常に不安な状態でいることを医療者は理解しなければならない。

引用・参考文献
1)Troels S Jensen,et al:A new definition of neuropathic pain.Pain 2022;152(10):2204-5.
・井上泰 : ナース・研修医・コメディカルのための なぜ? がなるほど! 病態生理絵解きゼミナール. 第2版. 井上泰, メディカ出版. 2014, p.216-217.


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:大田彩乃(有明医療大学看護学部看護学科 助教)

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