看護用語集

CAS

しーえーえす

CASとはcarotid artery stentingの略で、頸ステント留置術のことである。頸狭窄症の治療として行われる。血管内治療、血管内手術とも言われ、血管撮影装置の画像検査をガイド役として、血管の中にカテーテルを入れて行う手術のことで、身体的負担の少ない治療法である。アテロームそのものを切除するのではなく、大腿からカテーテルを刺入し、頸の狭窄部位バルーンおよびステントを拡張させることで、アテロームを排除し、内腔を拡張させる治療方法である。CASの適応は、頸内膜剥離術(CEA)がハイリスクとなる症例で、高齢者や心疾患、腎疾患、糖尿病などの既往や狭窄部位やそのほかの血管狭窄により側副血行路がない場合などである。治療では、局所麻酔下での実施も可能であるが、全身麻酔で行われることもある。治療の前に、抗血小板薬の投与などが行われ、治療中もヘパリンが投与される。合併症には、CEAと同様に、遠位塞栓による脳梗塞などや再狭窄の可能性がある。

参考文献
・山田隆子,他:頸ステント術(CAS)を想定した新人看護師へのシミュレーション教育プログラムによる学習効果.日本シミュレーション医療教育学会雑誌 7:8-12.2019.
・早期硬化研究会監:臨床のための頸エコー測定法 第2版.日本医事新報社.2008.
・日本脳卒中学会 脳卒中ガイドライン委員会:脳卒中治療ガイドライン2015〔追補2019対応〕. ‎協和企画.2019.


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:弓気田美香(有明医療大学看護学部看護学科 講師)

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