看護用語集

アセチルコリン

あせちるこりん

アセチルコリンとは、神経伝達物質の一つ。自律神経である交感神経および副交感神経の節前線維の終末、副交感神経の節後線維の終末、運動神経の神経筋接合部で働き、神経刺激を伝える。副交感神経の節後線維の終末で機能した場合、拍を遅くしたり、唾液の産生を促したりする。運動神経の神経筋接合部で機能した場合は、骨格筋の収縮作用をもたらす。

脳内におけるアセチルコリンの減少は、アルツハイマー病を引き起こす原因とされ、アセチルコリンを分解する酵素(アセチルコリンエステラーゼ)の働きを阻害し、アセチルコリンを増加させる作用をもつコリンエステラーゼ阻害薬が治療薬として用いられる。

また、パーキンソン病ではドパミンが減少する一方で、アセチルコリンが相対的に増加するため、運動機能が障害される。パーキンソン病の治療に使われる抗コリン薬は、アセチルコリンの作用を遮断し、ドパミンの働きを強める作用をもつが、交感神経の抑制による排尿困難、顔面紅潮、口渇めまい便秘などの副作用に注意が必要となる。


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:川上嘉明(有明医療大学看護学部看護学科 教授)

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