看護用語集

ファーラー位(ファウラー位)

ふぁーらーい(ふぁうらーい)

ファーラー位とは上半身を仰臥位で約45度に傾ける座位のこと。患者さんの上半身を起こす前にずり落ち防止のため、下肢を軽く曲げておくこともある。

腹部手術後の廃液を促す目的で取られる体位であるが、内腹部臓器による肺の圧迫を予防できることから寝たきり患者さんや介護の場面で使われることもある。

臥床している患者さんの安静度が変更になった際や体位交換の際に指示され、ベッド上で食事を摂る場合や、安楽呼吸を行うためにとることが多い体位である。特に食事や経管栄養の投与時において、誤嚥からの肺炎予防するためにファーラー位で行う。
しかし、長時間のファーラー位の継続は褥瘡のリスクがある。
ファーラー位での褥瘡好発部位は「仙骨部」「腸骨部」などで、寝たきり患者さんでオムツ使用の場合は、皮膚トラブルのリスクも伴い、褥瘡の悪化や治癒遅延が起こりやすいため、注意が必要である。
背もたれの角度が15度〜30度程度の場合を「セミファーラー位」という。


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)


図/こさかいずみ

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