ホーマンズ徴候
ほーまんずちょうこう
ホーマンズ徴候(Homans徴候)は、深部静脈血栓症(deep vein thrombosis:DVT)でみられる身体所見である。DVTは四肢(通常は下肢)の深部静脈に血栓ができる病態。静脈にできた血栓が血流にのって肺動脈を閉塞すると肺動脈血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism:PTE)となる。
ホーマンズ徴候は、膝関節を伸ばした状態で足関節(足首)を背屈した際に、腓腹部(ふくらはぎ)に痛みを感じたら、徴候ありとなる。
静脈血栓の形成の3大誘発因子として、①血液の停滞、②血管内皮の障害、③血液凝固能の亢進が知られている。下肢静脈超音波検査、血液検査(D-ダイマー)、造影CT検査を行い診断する。軽症〜中等症では、無症状のこともあるが、筋肉疲労様の症状、下腿が張る、下肢の膨張、鈍痛、浮腫、表在静脈怒張、下垂時うっ血色、ホーマンズ徴候などがみられる。 重症では、急激に進行する下肢の膨張、緊満痛、皮膚が赤紫色に変化などがみられる。
監修:林 洋
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