看護用語集

一回換気量

いっかいかんきりょう

一回換気量とは、一回の呼吸の間に換気として気管、気管支、肺胞を通過する空気の量のことを言う。呼吸機能検査や人工呼吸器のモニターではTV(tidal volume)と表記されていることがある。換気「量」という表記から分かる通り単位はmLで表し、成人の一回換気量は年齢、体格、肺の容量、肺気腫やCOPDといった肺のコンプライアンスなどで変化するが、例えば50kgの成人で考えると概ね500mL/回前後と言われている。この換気量は死腔というガス交換には寄与しない領域も含まれている。

呼吸において換気をするということは、血液と肺胞の間でガス交換された二酸化炭素を身体の外に出すことであり、換気量が多くなればなるほど肺胞の中のガス交換された二酸化炭素は排出されていく。例えば人工呼吸器管理中にPaCO2が上昇してきた時に、一回換気量(TV)を多く設定する、もしくは呼吸回数を増やすことで、1分間の換気量(MV:minute volume=一回換気量×呼吸回数/分)が増えて、肺胞の中のガス交換された二酸化炭素が多く出されPaCO2が下がる。


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)

執筆:P(看護師 ライター 診療看護師(NP))

同音異義語・略語
tidal volumeVT
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