看護用語集

左脚ブロック

さきゃくぶろっく

左脚ブロックとは、心臓の刺激伝導系のうち、左心室に興奮を伝える左脚と呼ばれる組織が障害され、末梢に興奮正常に伝わらなくなった状態をいう。冠疾患、左室肥大を生じるような疾患、心筋炎、高血圧症、大弁疾患などにみられる。

刺激伝導系は、心臓を収縮させるための電気刺激を発生させ、伝達するための組織のこと。右心房にある洞結節より発せられた電気刺激を房室結節が受け取り、そこからヒス束を通って左脚と右脚に分かれ、最終的にプルキンエ繊維に刺激が伝わり心室を収縮させる。この経路のうち、左脚に障害があると左心室に刺激が伝わりにくくなる。心電図に特徴的な変化があり、QRS幅が0.12秒以上のものを完全左脚ブロック、0.12秒未満のものを不完全左脚ブロックという。

■参考文献
●永井良三,監:看護学大辞典 第6版.メヂカルフレンド社,2013,p.832.


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:小野香奈(有明医療大学看護学部看護学科 助教)

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