看護用語集

エリスロポエチン

えりすろぽえちん

エリスロポエチンとは、赤血球の産生を促進する造血因子の1つ。腎性貧血の診断、多血症の鑑別のために用いられる。基準値は4.2~23.7mIU/mL1)

エリスロポエチンは、主に腎臓の尿細管間質細胞で生成されるため、腎機能が低下するとエリスロポエチンの産生も低下する。これにより、骨髄での赤血球の産生が低下して血液中の赤血球も少なくなり、貧血が生じる。このようにして起こる貧血のことを腎性貧血という。

また、血液中の酸素分圧が低下するとエリスロポエチンの産生が高まり、酸素を運搬するための赤血球が多く作られるようになる。通常、酸素不足が解消されるとエリスロポエチンの産生は収まるが、何らかの原因でエリスロポエチンの産生が亢進すると、血液中の赤血球が異常に増加する多血症に陥るおそれがある。

多血症は、絶対的赤血球増多症(循環赤血球量が増加している)と相対的赤血球増多症(循環赤血球量の増加を認めない)に大別され、絶対的赤血球増多症のうち、エリスロポエチンが高値を示す場合は二次性多血症、示さない場合は真性多血症とされる。

■引用・参考文献
1)LSIメディエンス:WEB総合検査案内.内分泌学検査 その他 エリスロポエチン(EPO).(2024年1月19日閲覧)
https://data.medience.co.jp/guide/guide-03090003.html
●永井良三,監:看護学大辞典 第6版.メヂカルフレンド社. 2013.p.209.
●高久史麿,監:臨床検査データブック2019-2020.医学書院,2019,p.365.


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:杉田和代(有明医療大学看護学部看護学科 講師)

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