看護用語集

体位変換

たいいへんかん

体位変換とは、意図的に姿勢を変える身体的支援のことである。

主な対象は、麻痺や筋力低下、倦怠感などにより、自力での寝返りや姿勢保持が困難な患者さんである。その目的は、褥瘡予防や苦痛の軽減、関節拘縮や変形の予防、循環・神経障害の回避、さらに食事などの生活行動の支援まで多岐にわたる。必要に応じて、排痰を促進する体位ドレナージへと繋げる役割もある。

基本的な体位には、仰臥位、側臥位、腹臥位、端座位、長座位、ファーラー位などがある。これらを定期的に組み合わせて体位変換を実施する必要があるが、変換の間隔は一律ではない。患者さんの体調や皮膚の状態、使用しているマットレスなどに応じて、個別に判断することが重要である。

また同一姿勢による局所圧迫を避けるため、特に圧迫を受けやすい骨突出部への配慮が欠かせない。仰臥位では後頭部・肩甲骨部・仙骨部・踵骨部、側臥位では耳介部、肩峰突起部、腸骨部、大転子部、膝関節顆部、外果部、内果部などが褥瘡の好発部位であり、これらの部位を意識した除圧が重要である。

体位変換を行う際は、患者さんに声をかけながら不安を軽減し、皮膚の摩擦やずれを起こさないよう、引きずらない介助を徹底する。変換後は背抜きを行い、皮膚状態や疼痛、呼吸状態、点滴ドレーン類の位置などを確認する。

また、看護師腰痛災害(業務上の腰痛)対策と患者さんの安楽を両立させるため、ボディメカニクスを活用する。例えば、体位変換や起き上がりといった回転移動には「力のモーメント(トルク)」や「てこの原理」を、水平移動には「摩擦力の低減(身体を小さくまとめる、補助用具の活用など)」や「重心の移動」といった原則を応用する。必要に応じて複数名で介助を検討し、安全で負担の少ない体制を整えることが重要である。

用語を使用した例文
仙骨部に褥瘡がある患者さんに、左側臥位と右側臥位を中心とした体位変換を計画した。

用語に関連する国試過去問
臥床患者体位変換とボディメカニクスの原則との組合せで正しいのはどれか。
1. 仰臥位から側臥位 ― トルクの原理
2. 仰臥位から長座位 ― 摩擦力
3. ベッドの片側への水平移動 ― 力のモーメント
4. ベッドの頭部への水平移動 ― てこの第1種の原理
第111回看護師国家試験(2022年)
解答

1



監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:山﨑博貴

同音異義語・略語
change of position
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