無為とは、意志や欲動が著しく低下して何もやる気が起きず、周囲への関心や感情的反応が乏しくなることをいう。その結果、対人関係をうまく築けず、引きこもるような状態になることを「無為自閉」という。
無為が現れる疾患として、統合失調症がある。その症状は、陽性症状(妄想・幻聴、緊張病症状、滅裂思考など)と陰性症状(感情の平板化、思考・判断や行動の幼稚化、意欲の減退、関心の低下など)に大別され、無為は陰性症状に分けられる。
監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:岸本智砂子(有明医療大学看護学部看護学科 助教)