看護用語集

顔面神経

がんめんしんけい

顔面神経とは、第Ⅶ脳神経に分類され、表情筋の運動(運動神経)、舌前方の味覚(感覚神経)、唾液や涙などの分泌(副交感神経)などにかかわる混合神経である。脳幹にある顔面神経核から内耳孔を通って額を動かす前頭筋、目を閉じる眼輪筋、口角を上げる大頬骨筋、口を閉じる口輪筋など、顔面の表情筋の運動を支配する。また、音の伝わり方を調節するアブミ骨筋の運動、舌前2/3の味覚の伝達、唾液腺・涙腺・鼻腺などの分泌も司っている。

顔面神経が障害されると、左右非対称な表情、閉眼困難、口角の下垂、口唇からのよだれ漏れ、発音の困難、舌前方の味覚障害、涙や唾液の分泌低下などがみられる。これらは顔面神経麻痺の典型的な症状である。

臨床では、脳血管障害、顔面や頭部外傷、耳科疾患、ウイルス感染などにより顔面神経麻痺が生じることがある。看護師は、障害部位による症状の違いを考慮しつつ、患者さんの額のしわ寄せの動き、まばたきの有無、口角の動き、味覚障害の有無などを注意深く観察することが重要である。

●用語を使用した例文
表情から口角下垂がみられたため、顔面神経の支配領域を意識して観察を行った。

●用語に関連する国試過去問
閉眼に関与する神経はどれか。
1. 動眼神経
2. 滑車神経
3. 三叉神経
4. 外転神経
5. 顔面神経
第104回看護師国家試験(2015年)
解答

5



監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:p

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