看護用語集

ネクローシス

ねくろーしす

ネクローシスとは、虚血、低酸素、高温、外傷、感染、毒素、栄養欠乏などの物理的、化学的、生物学的な環境要因によって細胞に不可逆的な障害が生じ、予期せず細胞死となった状態である。壊死と同義で用いられることもある。

障害を受けると、細胞全体が膨張を始め細胞膜が薄くなり、最終的には細胞膜が破裂して細胞が崩壊し細胞の内容物が細胞外に放出される。ネクローシスが起こると、炎症反応が増強される。細胞が固くなり形状が残る場合もあれば、細胞が溶けて液状化する場合もある。

一方、似たような意味を持つアポトーシスは、自発的な細胞死(プログラムされた細胞死)とも表現され、組織を健全な状態に保つために細胞が死滅する状態である。ネクローシスとの大きな違いは、アポトーシスは多くの場合が生理的な現象であること、炎症反応は起こらない、細胞でみられる反応も異なる。

ネクローシスが発生すると、原因を解決しない限り細胞死のサイクルが正常に戻ることができず、周辺組織にも影響が及ぶ可能性がある。看護師は、物理的や環境的な障害による細胞死が発生している徴候があるかを観察する必要である。

●用語を使用した例文
褥瘡皮膚が黒色変化し、ネクローシスが生じている。

監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:p

同音異義語・略語
ネクローシスの同音異義語・略語は未登録です
「ネクローシス」に関する看護記事
該当する記事がありません

ラウンジでの「ネクローシス」に関するコメント

該当する用語はありませんでした

    新着の看護記事
  • 人気の看護記事