看護用語集

デルマトーム

でるまとーむ

デルマトームとは、脊髄神経が支配している皮膚感覚の領域を模式図化したものを指す。どこの脊髄神経で障害が起こっているのかを教えてくれる「地図」ともいえる。脊髄神経は31対あり、脊髄から伸び、神経根、前枝・後枝、神経叢などを経て、末梢神経として身体の末梢へと至る。頸神経(cervical nerve)は8対であり、頭文字を取り「C1」などと表記される。胸神経(thoracic nerve)は12対であり、腰神経(lumbar nerve)は5対である。仙骨神経(sacral nerve)も5対、尾骨神経(coccygeal nerve)は1対からなる。脊髄を覆う膜の外側(硬膜外腔)のスペースに挿入される硬膜外カテーテルは、局所麻酔薬を投与することで脊髄から出る脊髄神経に作用して鎮痛効果を発揮する。そのような麻酔効果範囲を確認する冷覚試験(Cold test)の際にもデルマトームは使用される。また、がん疼痛などの痛みの包括評価における視診の際にも使用される。

dermatome


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:家吉望み(有明医療大学看護学部看護学科 准教授)

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