呼吸性アルカローシス
こきゅうせいあるかろーしす
呼吸性アルカローシスとは、体内で産生される炭酸ガスの量より、肺から呼出される炭酸ガスの量のほうが多く、動脈血炭酸ガス分圧(PaCO2)が低下して血液のpHが上昇し、水素イオン濃度が低下した状態をいう。深くて速い呼吸、めまい、ふらつき、耳鳴り、四肢末梢の知覚異常、手足の痙攣、テタニーなどの症状を伴う。肺線維症や血管病変、過度の不安、中枢神経系の炎症、脳腫瘍などによる呼吸中枢の刺激が原因となり、治療は基礎疾患の除去である。
過換気症候群は明らかな基礎疾患を持たない病態であるが、心理的要因や身体的要因が誘因となって発作的な過換気が生じ、PaCO2が低下して呼吸性アルカローシスの症状が出現する。過呼吸症候群では、紙袋で鼻と口元を覆って、呼出した炭酸ガスを再吸入させる治療法(ペーパーバック再呼吸法)が行われてきたが、隠れている器質的疾患が鑑別されずに施行される危険性もあるため、最近では推奨されていない。
■参考文献
●和田攻,他編:看護大事典 第2版.医学書院,2010,p.1082.
●日野原重明,他監:2呼吸器疾患 看護のための最新医学講座 第2版.中山書店,2005,p.101.
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