看護用語集

テタニー

てたにー

テタニーとは、不随意に手足や口唇、喉頭などの筋肉が痙攣を起こした状態であり、テタニー症状テタニー症候群と呼ばれる。テタニー症状の原因はさまざまであり、まず、血液中のカルシウム濃度の低下が挙げられる。

例えば、甲状腺切除術の際に、切除部分が大きい場合や、全摘出の場合に、副甲状腺ホルモン[パラトルモン(parathyroid hormone:PTH)]が欠乏することで、副甲状腺機能低下合併症としてみられ、血中カルシウム濃度の低下が起こる。PTHは骨吸収を促進することで、血中カルシウム濃度を高めるホルモンであり、PTHの分泌低下によりカルシウム濃度が低下すると、テタニー症状がみられる。他にカルシウム濃度が低下する疾患として、腎機能障害やくる病(ビタミンD欠乏症)などが挙げられるが、これらの疾患でもテタニー症状がみられることがある。

また、過換気症候群の際には、過換気により、二酸化炭素濃度の低下、酸素濃度の上昇がみられることで呼吸性アルカローシスとなり、低カルシウム血症となってテタニー症状がみられる。

テタニー症状の多くは一過性であるが、時に永続性になることもある。

参考文献
医療情報科学研究所 : 看護学生看護師のための なぜ? どうして? 専門Ⅱ成人看護 内分泌・代謝 第4版. メディックメディア.2012, p.216-219.


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:大田彩乃(有明医療大学看護学部看護学科 助教)

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