赤沈
せきちん
赤沈とは、赤血球沈降速度(erythrocyte sedimentation rate : ESR)の略語で、赤血球が試験管内を沈んでいく速度をみる血液検査のこと。血沈(けっちん)ともいう。抗凝固薬を混ぜた血液をガラス管やプラスチック管に入れて垂直に立て、赤血球が沈降する速度を上澄みの血漿の長さで測定する。基準値(1時間値)は男性で10mm以下、女性で15〜20mm以下とされる1)。
赤沈の亢進は炎症の程度や炎症産物の吸収に関係し、亢進を認める場合は急性炎症、関節リウマチなどの膠原病や慢性炎症性疾患、貧血、白血病、悪性腫瘍、肝疾患などの存在が考えられる。一方、遅延している場合は、赤血球増加症、低フィブリノゲン血症、脱水などが考えられる。
炎症の診断を行う際は、炎症初期に上昇するC反応性タンパク(C-reactive protein:CRP)とあわせることでより精度が高まるが、膠原病などの経過観察では、赤沈のほうが重要な指標となることがある。
■参考文献
1)SRL総合検査案内.赤血球沈降速度.(2023年9月4日閲覧)
https://test-guide.srl.info/aichi/test/detail/03223A101
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