看護用語集

類天疱瘡

るいてんぽうそう

類天疱瘡とは、表皮基底膜構成タンパクに対する自己抗体(IgG)によって、表皮下水疱をきたす自己免疫性水疱症である1)。指定難病162であり、類天疱瘡には、主に皮膚症状が出る水疱性類天疱瘡と主に口腔などの粘膜に症状が出る粘膜類天疱瘡がある。

臨床的には、痒みを伴う浮腫性紅斑と緊満性水疱、びらんが認められる。まれに若年層にも認められるが、基本的には60歳以上の高齢者(特に75歳代以上)に多いとされており2)患者数は高齢化に伴い増加していると考えられている。また、遺伝や感染性はないとされており、水疱性類天疱瘡と血液系悪性腫瘍との関連性が指摘されている3)
治療としては、症状が限られた部位にのみ発症している場合や軽症な場合は、ステロイドの外用やDDS(レクチゾール)の内服のみでコントロール可能な場合もあるが、基本的には副腎皮質ステロイドホルモンステロイド内服である。
高齢者に発症することが多いため、内服忘れや副腎皮質ステロイドホルモン副作用に注意し、水泡形成に伴う衣類の工夫を行う必要がある。

引用・参考文献
1)難病医学研究財団難病情報センター:類天疱瘡 概要・診断基準等 統計の総合窓口(e-Stat) 令和3年度(2021年度)衛生行政報告例【難病・小児慢性特定疾病】第1表 特定医療費(指定難病)受給者証所持者数,年齢階級・対象疾患別  https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040002898 (2023年6月20日閲覧)
3)H Ogawa,et al:The incidence of internal malignancies in pemphigus and bullous pemphigoid in Japan.J Dermatol Sci 1995;9(2):136-41.
・日本皮膚科学会:類天疱瘡(後天性表皮水疱症を含む)診療ガイドライン.日皮会誌 127(7):1483-1521,2017. https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/bullous%20pemphigoid.pdf(2023年7月5日閲覧)
●日本皮膚科学会:皮膚科Q&A.Q3どんな症状をおこすのですか? https://www.dermatol.or.jp/qa/qa15/q03.html(2022年11月11日閲覧)


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:森山 希(有明医療大学看護学部看護学科 助教)

同音異義語・略語
類天疱瘡の同音異義語・略語は未登録です
「類天疱瘡」に関する看護記事
該当する記事がありません
新着の看護記事
  • 人気の看護記事