看護用語集

プロテアーゼ

ぷろてあーぜ

プロテアーゼとは、タンパク質分解酵素の総称である。protein(タンパク質)と、-ase(酵素であることを意味する接尾語)の組み合わせにより成り立っている。タンパク質は、アミノ酸がペプチド結合している高分子化合物であり、プロテアーゼはペプチド結合を加水分解して、タンパク質を分解する酵素である。

タンパク質は、筋肉や皮膚などの主成分として、また、物質代謝や生体防御因子、酵素として体内で機能しているが、このときのタンパク質の活性化や異化のために、体内に存在するさまざまなプロテアーゼによるタンパク質の加水分解が必要である。

プロテアーゼは消化酵素として、タンパク質の小腸における消化吸収にも寄与している。プロテアーゼが多く含まれる食品として、生姜やパイナップルなどがあるが、肉類をはじめとするタンパク質調理に利用することで、消化器疾患や消化器術後といった、消化吸収しやすい食物の摂取が望ましい場合にも活用できる。

また、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の治療として、プロテアーゼ阻害薬(protease inhibitor:PI)を逆転写酵素阻害薬(ヌクレ オシド系・非ヌクレオシド系)、インテグラーゼ阻害薬(integrase strand transfer inhibitor:INSTI)、侵入阻害薬とともに使用することもある。これは、ウイルス遺伝子により形成されたタンパク質を、ウイルス自身のプロテアーゼの働きにより機能タンパク質に変換するというHIVの増殖サイクルに関連しており、PIを使用することでプロテアーゼ活性を消失させ、ウイルスの増殖を阻止することを目的としている。


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:森山 希(有明医療大学看護学部看護学科 助教)

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