看護用語集

清拭

せいしき

清拭とは、入浴シャワー浴で身体の清潔行為ができない患者、病弱者、虚弱者に対して、皮膚の汚れを取り除くことを主たる目的として、蒸しタオルなどで身体を拭くことをいう。全身を拭く全身清拭と身体の一部を拭く部分清拭がある。

身体の清潔を維持できるほか、温かいタオルで拭くことで血流が促進され、患者にとっては爽快感や安眠が得られるなどのメリットがある。清拭時に全身状態を観察することで、褥瘡感染予防につなげることもできる。

清拭に使用するお湯の温度は、50〜55℃(手を入れられる最高温度)を保つようにする。これは、タオルをお湯に浸して絞ると、タオルの温度がお湯の温度より8〜10℃低下するからである。また、タオルの温度は気化熱によっても下がるため、患者に冷感を与えないよう、数回拭くごとにタオルを温め直す必要がある。

清拭は、清潔を維持するための補完的手段であるため、患者の状態により可能であれば、入浴シャワー浴のほうが望ましい。


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:川上嘉明(有明医療大学看護学部看護学科 教授)

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