看護用語集

右季肋部痛

みぎきろくぶつう

右季肋部痛とは、右の肋骨の下あたりに生じる痛みをいう。

季肋部の右側には胆嚢や肝臓などの臓器があり、右季肋部痛を訴える場合にはまず、胆石症、胆嚢炎、胆管炎といった肝胆道系疾患が疑われる。特に食後の差し込むような強い痛みは胆石症の典型的な症状で、心窩部(みぞおち)や背中、右肩への放散痛がみられることもある。胆石などによって胆嚢管や胆管が閉塞すると、胆汁がうっ滞して腸内の細菌などに感染しやすくなり、胆嚢管や胆管に炎症(胆嚢炎、胆管炎)が起きれば発熱や黄疸などの症状も出現する。

右季肋部の痛みは肝胆道系疾患のほか、十二指腸潰瘍、虫垂炎、腎臓(右腎)の疾患などでも起こる。また、心筋梗塞などの心血管疾患、肺炎や胸膜炎などの呼吸器疾患、肋骨骨折、肋間神経痛でも右季肋部痛をきたすことがある。若年女性の主訴ではFitz-Hugh-Curtis症候群(クラミジアなどによる骨盤内炎症性疾患から肝周囲炎を併発した病態)を想定することも必要となる。


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)

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