看護用語集

バイアル

ばいある

バイアルとは、広口のプラスチックやガラスでできた注射薬剤を入れる容器であり、無菌状態を保持できるもの。バイアル剤とは、薬剤を充填したあとゴム栓をし、開口部にアルミニウムキャップなどでゴム栓と開口部を巻絞めた無菌製剤である。バイアル剤のゴム栓は、複数回穿刺することができるため、薬剤を複数回に分けて吸い上げることが可能である。アンプル剤よりも、怪我をする危険性が少ない。しかし、複数回穿刺できることから、ゴム栓の一部が薬剤に混入するコアリングが起きることもあるため、注意が必要である。コアリングの防止策は、ゴム栓面に垂直に注射針を刺すこと、注射針をひねるように刺さないこと、何度も注射針を抜き差ししないことが挙げられる。

バイアルから薬液吸い上げの手順
1)注入量と同量の空気をシリンジに吸い込む。
2)バイアルに上方から注射針を刺し、空気を入れる。その際にコアリングしないよう針はまっすぐ垂直に刺す。
3)シリンジ注射針が刺さったままの状態でバイアルを転倒させ、注射針の先端が薬液表面から十分に離れていることを確認してから、シリンジの内筒を引く。注入量より若干多めの量まで薬液を吸引したうえで、注射針を上方に向けた状態のままでバイアルから注射針ごとシリンジ抜去する。
4)その後、注射針が上方を向いたままの状態で、薬液がちょうど注入量になるところまで内筒を押し戻し、その際、注射針の先端から薬液が噴出されることによって、シリンジ注射針の中に空気が残されていないことを確認する。

参考文献
・有賀洋文:かんたんマスター 注射・輸液. 照林社. 2008, p.21.


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:大田彩乃(有明医療大学看護学部看護学科 助教)

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