看護用語集

DNR(蘇生処置拒否)

でぃーえぬあーる(そせいしょちきょひ)

DNR(蘇生処置拒否)とは、事前指示の一種で、心臓や呼吸が止まった場合に心肺蘇生の実施を拒否するという患者の意志を記載したもの。do not resuscitateの略。

DNRについては、蘇生が成功する可能性が高い状況でも、蘇生処置を拒否するものであると誤解される可能性がある。そのため、命を救うための努力を放棄するものではなく、蘇生に成功する可能性が低い状況下で心肺蘇生法を試みないという意味でattemptを加え、DNAR(do not attempt resuscitation)とされた。

DNAR指示は、心肺停止の際に、心肺蘇生法を実施しないという患者・家族の意思に従い、医師が出す指示ことである。

『日本版POLST(DNAR指示を含む)作成指針』では、DNAR指示の作成に際して、次の点に留意することとしている1)2)

①POLST(DNAR 指示を含む)作成に際して、患者・家族(関係者)および医療ケアチーム内で十分なコミュニケーションがなされていますか?
②今後の医療について、患者本人の意思を尊重していますか?
患者本人が意思表明できない場合の代理判断、家族および近親者の考えを尊重していますか?
患者は、POLST(DNAR指示を含む)を出すのにふさわしい医学的病態ですか?
⑤意思決定についての手続きは適正ですか? 記録は適切になされていますか?
⑥POLST(DNAR指示を含む)作成後にも、患者の尊厳に対して配慮はなされていますか?

■引用文献
1)日本臨床倫理学会 : 日本版POLST(DNAR指示を含む)作成指針.(2025年4月8日閲覧)
https://c-ethics.jp/deliverables/detail02/
2)日本臨床倫理学会:Ⅱ POLST(DNAR指示を含む)作成に関するガイダンス.日本版POLST(DNAR指示を含む)作成指針.(2025年4月8日閲覧)
https://c-ethics.jp/assets/file/polist/polist_guidance.pdf


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:掛本知里(有明医療大学看護学部看護学科 学部長・学科長)

同音異義語・略語
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