看護用語集

過呼吸

かこきゅう

呼吸とは、呼吸回数に変化はなく、呼吸の深さが増加した状態のこと。過換気症候群の主要症状として認められる。

過換気症候群は、過剰な換気が発作的に行われ、肺胞過換気状態になり、呼吸性アルカローシスの症状がみられる病態である。器質的障害は認められず、心因的なものが原因であると考えられている。パニック状態になる、極度の不安に陥る、過度の緊張状態になるなどすると、突然胸の苦しさや息苦しさを感じ、息をいくら吸っても苦しさが治まらず、過呼吸となり、呼吸困難を感じる。

また、過換気症候群になると、口の周囲や手足がしびれたり、動悸や嘔気、痙攣などの症状が出現する。特に、手の痙攣はトルーソー徴候と呼ばれる特徴的なもので、指を伸展させて手のひらをすぼめ、指の先を接触させる独特の形(助産師の手とよばれる)を呈する。過呼吸がひどくなると、手足が硬直して失神することもある。

■参考文献
●越久仁敬:過換気症候群の病態生理. ファルマシア 2011;47(12):1133-7.


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:前田樹海(有明医療大学看護学部看護学科 教授)

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