看護用語集

新生児高ビリルビン血症

しんせいじこうびりるびんけっしょう

新生児ビリルビン血症とは、新生児の血中ビリルビン濃度が高くなっている状態のことである。

ビリルビンとは、古くなった赤血球のヘムタンパクが分解されることで生成される黄色い色素であり、血中濃度が上がると皮膚や粘膜、眼球結膜が黄染する症状黄疸)がみられる。

新生児ビリルビン血症の大きな要因は、新生児期のビリルビン産生の増加や肝機能の未発達など、生理的な反応によるものと考えられる。新生児は分解される赤血球の量が多いため、ビリルビンの産生が多くなる。生成されたビリルビンは肝臓内でのグルクロン酸抱合によって水溶性となり排泄される流れだが、新生児は肝機能の発達が不十分でありグルクロン酸抱合能力が低いため、余分なビリルビンが排泄されず血中ビリルビン濃度が高くなる。

生理的な要因の場合は生後2〜3日から黄疸がみられ、生後4〜6日目にピークを迎えることが多い。一般的には自然に消失するため、特別な治療は行わない。

基準値外の病的な高ビリルビン血症(病理的黄疸)の原因には、母子のABO血液型やRhD血液型の不適合、グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症( G6PD欠損症)、赤血球数が通常より多い、肝炎や胆道閉鎖症などがあげられ、この場合は治療が必要となる。

新生児ビリルビン血症の診断や検査では経皮的なビリルビン濃度測定や血液検査が行われ、治療には光線療法や交換輸血新生児ビリルビン血症となる原因疾患への治療が行われる。

図1 経皮的ビリルビン濃度測定器(黄疸計)
shinhuzen

●用語を使用した例文
母親の既往歴に糖尿病があり新生児ビリルビン血症になるリスクが高いため、赤ちゃんの黄疸が通常よりも持続する可能性がある。

●参考文献
・日本医療研究開発機構(AMED) 難治性疾患実用化研究事業 「早産児核黄疸の包括的診療ガイドラインの作成」班:早産児ビリルビン脳症(核黄疸) 診療の手引き(2024年12月5日閲覧)
・森岡 一朗:数値からみる周産期医療新生児新生児黄疸治療基準.周産期医学 発2023;53(9):1365-9.

監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:山﨑博貴

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