看護用語集

社会的孤立

しゃかいてきこりつ

社会的孤立とは、社会とのつながりがなくなり、他者と交流する機会がほとんどない状態である。必要な支援が受けづらくなるため、身体的だけでなく精神的に悪影響を及ぼすことが考えられる。

例えば、他者と接触する機会が減少または消失することにより、孤独感や疎外感が強くなりやすい。また、悲しみの感情が増したり、引きこもりになったりする可能性もある。これらは慢性的な疾患や認知障害とも関連し、独居や高齢の患者さん、経済的支援を必要とする患者さんなどに起こりやすい1)

要因はさまざまで、認知機能障害であること、高齢化に伴う身体機能低下で活動量が低下したこと、独居により家族や地域社会との関係性が徐々に希薄したこと、経済的支援が必要だがなんらかの要因で十分に受けられていないことなどが挙げられる。

患者さんが社会から孤立しているかを情報収集して早期に介入していくことが重要である。看護診断ケアの際には、患者さんの社会的孤立の改善あるいは軽減につながるように身体的、精神的な支援を行い、患者さんと社会との繋がりをサポートする役割が求められる。

また、家族関係や周囲の人間関係などに関する情報を収集して必要な介入を検討する。そのほか、必要に応じて地域で活用できる資源やサービスに関する情報の提供や、実際の利用にあたっての支援も検討する。

●用語を使用した例文
社会的孤立をされている患者さんに対して、看護師として解決策を一緒に考えていく。

●引用文献
1)T.ヘザーハードマン,編:NANDA-I 看護診断NANDA-I 看護診断 定義と分類.第12版.医学書院,2021年,p.567-8

監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
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