看護用語集

感情失禁

かんじょうしっきん

感情失禁とは、患者が自身の感情表現を適切にコントロールできない状態を指す。わずかな刺激によって不意に泣いたり、笑ったり、怒ったりするなど、感情の爆発が見られる。

多くの場合は脳の病変や神経系の障害に関連しており、多発性硬化症、脳卒中、アルツハイマー病などの患者に見られる。「感情の失禁」は疾患に起因するものであるため、悲しみやつらさなど何らかの理由があって泣く場合は「感情失禁」とは区別する。

感情失禁は、患者の社会的な交流や日常生活に深刻な影響を及ぼす可能性がある。突然の感情表現は、恥ずかしさや孤立を感じさせ、患者の心理的な健康を損なうことがあると考えられる。看護師は、感情失禁について理解し、感情表現が患者の意思とは無関係な、何らかの疾病に由来していることを認識することが重要である。

患者とその家族に対して、感情失禁の特徴や原因、そして可能な支援方法について教育を行い、理解を深めてもらうことが大切。感情失禁を抱える患者には、適切な医療的介入やカウンセリングを提供し、彼らが自己の感情をより良く管理できるようサポートすることが求められる。感情失禁は、看護師患者の精神的および情緒的な健康を支える上で対応すべき重要な課題の1つであり、患者に対する優しい接し方と適切な情報提供が、彼らの生活の質の向上につながる。


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:田仲珠恵(有明医療大学看護学部看護学科 教授)

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