看護用語集

死の受容過程

しのじゅようかてい

死の受容過程とは、死にゆく人の心理の変化を「否認」「怒り」「取り引き」「抑うつ」「受容」の5段階で捉えた過程のこと。順番が入れ替わる場合や行ったり来たりする場合があり、死を意識した人がどの段階にいるかによって介入方法が変わってくる。各段階の内容は次のとおり。

●否認:余命が残りわずかであることに衝撃を受け、それを頭では理解しようとしているが、その事実を否認している段階
●怒り:自分が死ぬという事実を認識することはできたが、「なぜ自分が」といった思いが強く、怒りがこみ上げてくる段階
●取り引き:死の先延ばしや回避ができないか、奇跡が起きないかなど神にすがったり、善行を行ったりする段階
抑うつ:死が避けられないことがわかり、あきらめ、悲観、虚しさ、憂うつ、絶望といった抑うつ症状が出現し、落ち込む段階
●受容:死は誰にでも訪れる自然なものとして自分の死も受け入れるようになり、人生の終わりを心静かに見つめることができるようになる段階

■参考文献
●Eキューブラー・ロス:死ぬ瞬間—死とその過程について.中央公論新社,2001.


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:中原美穂(有明医療大学看護学部看護学科 助教)

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