看護用語集

バビンスキー反射

ばびんすきーはんしゃ

バビンスキー反射とは、対象者の足を固定して、検者が打腱器の持ち手側などのややとがったもので足底外側部を踵の方からつま先に向けてゆっくり弧を描きながら擦った際に、母趾の背屈とそのほかの趾の開扇現象(扇状に広がる現状)のことをいう。この現象が確認された場合を陽性とし、必ず両側を検査する必要がある。バビンスキー徴候と呼ぶこともある。 この反射は在胎12・13週には認められ、生後1・2年に消失するといわれている原始反射である。そのため、2歳以降も確認される場合は病的反射とされ、錐体路障害の徴候とされている。2歳以降で正常な場合は、母趾は足底の方へ底屈する。
錐体路とは、随意運動時の神経の経路を指し、大脳皮質から錐体を通り脊髄へとつながっている。そのため皮質脊髄路ともいわれる。脳疾患や脊髄疾患などにより錐体路のどこかが障害されると、バビンスキー反射陽性などの錐体路徴候が現れるため、神経学的検査のひとつの項目とされている。観察を行う際は、母趾の背屈とそのほかの趾の開扇現象に加えて反応の速さにも注意する。

■参考文献
・日本小児神経学会:小児神経学的検査チャート作成の手引き.
https://www.childneuro.jp/modules/about/index.php?content_id=29(2023年10月11日閲覧)
・日本神経学会:神経学的検査チャート作成の手引き.
https://www.neurology-jp.org/news/news_20080715_01.html(2023年10月11日閲覧)
・岐阜大学:医学と医療コラム.https://www.med.gifu-u.ac.jp/neurology/column/medical/006.html(2023年10月11日閲覧)
・仁志田博司:新生児学入門 第3版.医学書院.2004.


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:森山 希(有明医療大学看護学部看護学科 助教)

同音異義語・略語
バビンスキー反射の同音異義語・略語は未登録です
「バビンスキー反射」に関する看護記事
該当する記事がありません
新着の看護記事
  • 人気の看護記事