看護用語集

ラセーグ徴候

らせーぐちょうこう

ラセーグ徴候とは、仰臥位で膝を伸展したまま、片側の下肢を挙上させたとき、大腿後面から臀部にかけて疼痛が生じ、それ以上挙上できない状態をいう。疼痛が生じたときの下肢の上がった角度が地面に近いほど(0度に近いほど)症状は重い。健常者では、70度以上挙上させても通常痛みを感じないが、中には痛みを感じる人もいるため、信頼性は100%ではない。

ラセーグ徴候は、髄膜刺激症状として認められる場合と坐骨神経痛の症状として認められる場合がある。坐骨神経痛で陽性であった場合、うつ伏せで寝かせた状態で、臀部から大腿後面にかけて圧痛があるかどうかを確認する。また、下肢を挙上しているときに、挙上していない側の坐骨神経領域に痛みが誘発される場合もある。

なお、ラセーグ徴候は椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症でもみられる。

■参考文献
●林正健二,他編:ナーシング・グラフィカ 健康の回復と看護(7)疾病と治療 第3版. メディカ出版,2018,p.248.


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:岸本智砂子(有明医療大学看護学部看護学科 助教)

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