ウィルヒョウ転移
うぃるひょうてんい
ウィルヒョウ転移とは、消化管などにできたがん細胞がリンパ管に侵入し、リンパ液の流れに乗って胸管を経て、左鎖骨上窩リンパ節に転移することをいう。特に胃がんで多いが、肺がんや食道がんなどでもみられる。
ウィルヒョウ転移により腫大した左鎖骨上窩リンパ節は、「ウィルヒョウのリンパ節」と呼ばれ、がんが進行した状態を示す重要な所見である。左鎖骨上窩リンパ節は、胸管が静脈に合流する左静脈角の近くに位置し、左の鎖骨上部にある窪みを触診することで腫大の有無を確認できる。
がんの転移は、がん細胞が最初に発生した場所(原発巣)からさまざまな経路を介して別の臓器や器官に移動し、そこで増殖することで起こる。経路は主に3つあり、ウィルヒョウ転移のように、リンパ管を介してリンパ節に転移するリンパ行性転移、血管を介してほかの臓器や全身に広がる血行性転移、がん細胞が臓器の漿膜を破って腹腔内などに飛び散る播種性転移がある。
■参考文献
●永井良三,他監:ウィルヒョウ転移.看護学大辞典 第6版.メジカルフレンド社,2013.
●山本雅一,監:胃がん.全部見える消化器疾患.成美堂出版,2016,p.106.
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