看護用語集

振戦

しんせん

振戦とは、身体の一部あるいは全身に無意識に起こる、規則的でリズミカルな震えのことをいう。振戦の起こり方や原因によって、安静時振戦、姿勢時振戦、企図振戦、本態性振戦に分類される。

安静時振戦は休止時振戦、静止時振戦とも呼ばれ、リラックスした状態のときに手足の震えが出現する。中脳にある黒質の神経細胞の変性・脱落により、種々の錐体外路症状を呈するパーキンソン病でみられる。

姿勢時振戦は甲状腺機能亢進症の患者で認められ、腕を上げるなど、重力に逆らうような姿勢をとったときに震えが出現するのが特徴である。多発性硬化症や小脳の障害などが原因で起こる企図振戦は、ある目標物へ向かう動作をきっかけに震えが生じる。

本態性振戦は、動作時や一定の姿勢を保つときに手に震えが生じ、激しい場合は頭部の揺れや言葉の震えがみられる。原因は不明だが、主に成人期に発症し、加齢に伴って症状が進行する場合がある。

■参考文献
●永井良三,他監:看護学大辞典 第6版. メジカルフレンド社,2013,p.1872.


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:小野香奈(有明医療大学看護学部看護学科 助教)

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