看護用語集

バレー徴候

ばれーちょうこう

バレー徴候(Barré sign)とは、軽度の運動麻痺がある場合に、上・下肢に見られる症状である。上肢の場合、患者の手のひらを上に向けて、第5指(小指)同士をくっつけた状態で、両腕の肘を伸展させたまま、肩と同じ高さで前方に挙上してもらう。そのまま閉眼してもらい、10秒間姿勢を保持してもらう。上肢が錐体路障害の影響を受けていると、回外筋よりも回内筋、伸筋よりも屈筋が強く緊張するため、麻痺側の上肢は回内し、次第にゆっくりと腕が下がってくる。下肢の場合は、患者さんに腹臥位になってもらい、両側の膝関節が接さないように床面からもち上げさせて、135度で姿勢を保持してもらう。下肢が錐体路障害の影響を受けていると、屈筋よりも伸筋が強く緊張するため、麻痺側の下肢が次第にゆっくりと下がってくる。下肢バレー徴候をチェックする際には、腹臥位のため視覚での補正ができないため、閉眼は不要である。下肢の場合にはミンガツィーニ徴候(Mingazzini sign)という下肢の軽度の運動麻痺がある際に見られる症状もある。仰向けになった状態で両股関節と両膝関節を90度に屈曲してもらう。下肢が錐体路障害の影響を受けると、麻痺惻の下肢は体勢を保持できずにゆっくりと下がってくる。これらの徴候を認めれば、脳梗塞脳出血などの脳卒中を強く疑うが、あくまでも徴候のため、画像診断と合わせて、脳卒中の確定診断をしていく必要がある。


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:北島泰子(有明医療大学看護学部看護学科 教授)

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