看護用語集

疥癬

かいせん

疥癬とは、ヒゼンダニが皮膚角質層のなかに寄生することで発症する皮膚疾患。人から人へと感染し、症状としては夜間に激しい痒みがみられる。

疥癬には、通常疥癬とノルウェー疥癬と呼ばれる角化型疥癬の2つがあるが、角化型疥癬については感染力が非常に強く、集団発生が起こりやすいため、病院や施設などでは注意が必要である。

主な治療法としては、外用薬と内服薬によるものがある。外用薬は、フェノトリンを塗り残しがないよう頸部以下の全身に塗布し、1週間後に同様に全身に塗布する。内服治療はイベルメクチン錠を空腹時に内服し、1週間後に再度内服する。通常疥癬は約1カ月で軽快するが、角化型疥癬の場合は1カ月以上かかることもある。

通常疥癬ケアでは、患者に触れる際には必ず手袋を着用したり、必要時はケア後にケア提供者の衣類を交換したりすることが望ましい。角化型疥癬の場合には、集団感染を起こさないよう、手袋やガウンを着用したうえでケアを行う。

■参考文献
●日本皮膚科学会疥癬診療ガイドライン策定委員会:疥癬診療ガイドライン(第3 版追補).日皮会誌 2018128(13);2791-801.(2023年3月15日閲覧)
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/kaisenguideline.pdf ●和田康夫:疾患別にみた治療と看護.11.動物寄生性疾患 3) 疥癬 皮膚科エキスパートナーシング 第2版.瀬川雅浩,他編. 南江堂,2018,p.166-7.


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:大田彩乃(有明医療大学看護学部看護学科 助教)

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