看護用語集

サイトカイン

さいとかいん

サイトカインとは、細胞を意味する「cyto」と作動物質を意味する「kine」からなる造語で、細胞間の情報伝達を担うタンパク質の総称である。

代表的なサイトカインとして、インターフェロン(IFN)、インターロイキン(IL)、ケモカイン、造血因子(コロニー刺激因子)、腫瘍壊死因子(TNF)、細胞増殖因子(EGF、FGF、TGF-βなど)などがあり、それぞれ多様な細胞で産生され、多彩な作用をもつ。異なるサイトカインが同一の作用を示すこともある。例えばIL-1の場合、単球やマクロファージをはじめ、NK細胞、B細胞、T細胞、内皮細胞、滑膜細胞、線維芽細胞、好中球などで産生され、発熱、炎症誘起、免疫応答増強などの作用を有する。

また、何らかの原因でサイトカインが過剰に産生され、免疫の働きが暴走することをサイトカインストームという。サイトカインストームが生じると、状態の悪化や重症化を招き、最悪の場合、死に至ることもある。

■参考文献
●小川道雄,他:侵襲に対する生体反応とサイトカイン.外科治療 1992;67(5):5.
●布宮伸:クリティカルケアと生体侵襲.ポケット版クリティカルケアマニュアル 第1版.照林社,2000,p.10-4.


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:川村未樹(有明医療大学看護学部看護学科 助教)

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