看護用語集

関節拘縮

かんせつこうしゅく

関節拘縮とは、関節を構成する軟部組織の異常により、関節の可動域が正常範囲より制限される状態をいう。主な原因は、加齢、脳血管疾患後遺症、骨折、意欲低下などによって、関節を動かす機会が減少することにある。

関節は動かさないと血流が悪くなり、関節やその周囲の組織に栄養が送られにくくなる。この状態が長期間続くと、関節周囲の皮膚、筋肉、靭帯などが縮んで硬くなり、拘縮を引き起こす。このように、関節拘縮は活動性が低下した状態によって生じる二次的な身体機能低下、すなわち、廃用症候群の症候の1つとして挙げられる。

関節拘縮はADLの低下を招くため、発症を予防することが重要である。治療経過によりベッド上安静が必要な場合でも、関節可動域訓練や良肢位のポジショニングなどで予防を図る。
また、関節拘縮には、先天的な拘縮(先天性多発性拘縮症など)もある。

■参考文献
●和田攻,他編:看護大事典 第2版.医学書院,2010,p.624.
●堀内ふき,他編:高齢者看護の基本.ナーシング・グラフィカ 老年看護学① 高齢者の健康と障害 第6版.メディカ出版,2021,p.172-3.


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:小野香奈(有明医療大学看護学部看護学科 助教)

同音異義語・略語
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