看護用語集

筋肉注射

きんにくちゅうしゃ

筋肉注射とは、筋肉内に薬剤注射することを指し、筋注、i.m.(intramuscular injection)と略されることもある。筋肉注射は非水溶性の薬剤や懸濁性・刺激性の強い薬剤注射する際や皮下注射よりも薬液量が多い場合に用いられることが多い。薬剤としては、ブスコパンなどの鎮痙薬、ホルモン剤や不活化ワクチンに用いられる。
注射部位としては、三角筋や中殿筋が選択されることが多いが、年齢によって部位を考慮する必要がある。三角筋の接種部位として、肩峰から下した垂線と前腋窩線の頂点・後腋窩線の頂点を結ぶ線の2つの線が交わる点が新たに推奨されているが、従来からの肩峰から2〜3横指下も選択肢として残されている。
小児の場合は、大腿四頭筋拘縮症の発症報告を受けワクチンなどの筋肉注射は最小限にし、原則皮下注射で行う向となっている。筋肉注射を行う場合は、1歳未満は大腿前外側部、1~2歳は大腿前外側部または三角筋中央部、3歳以上は三角筋中央部が標準的な接種部位とされている1)。
筋肉注射実施時には、シリンジは鉛筆を持つように持ち、45〜90度の角度で注射針を刺入する。針を刺入する深さは皮下脂肪や筋肉の厚みによって異なるが、13~20mmが目安といわれている。
逆流の確認や針の刺入時に皮膚をつまむ動作は不要とされているが、刺入時に神経損傷の訴えがないことを確認後に薬剤を注入していくことが重要である。

引用文献
1)日本小児科学会:小児に対するワクチンの筋肉内接種法について 改訂第2版.2022.
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/497820.pdf(2023年4月27日閲覧)
参考文献
・日本医師会:日本医師会新型コロナワクチン速報【第5号】.2021.
https://www.kyoto.med.or.jp/covid19/pdf/20210226vaccine05.pdf(2023年4月27日閲覧)
・日本環境感染学会:医療関係者のためのワクチンガイドライン 第3版.2020.
http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/vaccine-guideline_03(3).pdf(2024年4月27日閲覧)


監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
森山 希(有明医療大学看護学部看護学科 助教)

同音異義語・略語
Intramuscular injection
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