看護用語集

流動性知能(流動性能力)

りゅうどうせいちのう(りゅうどうせいのうりょく)

流動性知能とは、新しい情報を獲得・処理し、状況に応じて問題を解決する能力を指す。初めて経験する出来事への対応や、新しいルールの理解などにかかわる認知機能であり、主に記銘力や情報処理能力、直感力などが該当する。

人間の認知機能には、流動性知能のほかに、過去の学習や経験によって蓄積された知識を活用する結晶性知能がある。一般に、高齢になっても安定して維持されやすい結晶性知能に対し、流動性知能は加齢に伴って低下しやすい特徴をもつ。その低下の度合いや時期には個人差が大きいが、一般的に20歳頃にピークを迎えた後は緩やかに低下し、60歳頃からその低下が顕著になる傾向がある。

そのため高齢者は、長年の経験を活かした判断ができても、新しい環境への適応や、初めて行う作業に時間を要することがある。

例えば、高齢の患者さんが入院した際、ナースコールの使い方や病棟のルールを説明されても、一度では覚えられない場合がある。一方で、繰り返し説明を受けたり実際に体験したりすることで、徐々に習得できることも少なくない。このような場合は、理解力が低いと捉えるのではなく、慣れない環境で新しい情報を処理することに負担が生じている可能性を考慮することが重要である。

看護師は、患者さんが新しい情報をどの程度理解し、実際の行動に移せるかを観察する必要がある。一度に多くの情報を伝えるのではなく、説明を短く区切る、実際に一緒に行う、繰り返し確認するなどの工夫を取り入れることで、患者さんの理解を促し、新しい環境への適応を支援しやすくなる。

●用語を使用した例文
流動性知能の特徴を踏まえ、退院後の服薬管理について一度に説明するのではなく、患者さんの理解度に合わせて段階的に説明した。

●用語に関連する国試過去問
流動性知能はどれか。
1. 新聞を読む。
2. 町内会の役員を務める。
3. 結婚式のマナーを知っている。
4. 携帯電話に電話番号を登録する。
第104回看護師国家試験(2015年)
解答

4



●引用・参考文献
・公益財団法人長寿科学振興財団:高齢期における知能の加齢変化.健康長寿ネット(2026年6月10日閲覧)
https://www.tyojyu.or.jp/net/topics/tokushu/koureisha-shinri/shinri-chinouhenka.html

監修:林 洋(東京有明医療大学 学長)
執筆:山﨑博貴

同音異義語・略語
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